連載|食卓で使いたい、大分の手仕事
城下町・杵築でつくる“物語のあるうつわ”。
城下町・杵築でつくる“物語のあるうつわ”。
陶芸家・坂本和歌子さん | Page 3
坂本さんのうつわを買える店〈kamome〉へ
さて、東京のショップでも好評で、女性を中心に年々ファンが増えている(ゆえに、HPのオンラインショップでも売り切れ続出中)白やブルーのうつわですが、坂本さんいわく「JR大分駅の近くにあるお花屋さん〈kamome〉に置いてもらっています。一輪挿しなどの花器だけでなく、ピッチャーやカップなど花を生けるのにちょうどいいうつわもありますよ」とのこと。さっそく別府湾沿いを南下して大分市へ向かいます。
「食器としてのうつわは軽めにつくられているけれど、花器は底の部分に厚みがあるせいか少し重めで、花を生けたときに安定するんです」と話すのは、フラワーショップ〈kamome〉の店主、伊藤由里さんです。
10数年前、坂本さんが開いていた陶芸教室の生徒だったという伊藤さん。2010年にこの店をオープンしてからは、店内でうつわを扱っているほか、定期的に坂本さんの展示会も開いています。
「つるつるして気持ちのいい質感ややさしい白は、洋の花にも和の花にも合うし、枝ものや実ものも映えるんです。和歌子先生のうつわって、温かくて親しみがあるんですけど、重さとか持ったときのバランスとか、細かいところまですごく丁寧にまじめに考えられている。使ってみるとよくわかります」と伊藤さん。
温かくて親しみやすくて実はまじめで……つくり手の人柄を映したようなうつわは、使う人の日常にやさしい喜びと小さな物語をもたらす力をもっています。
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Wakako Ceramics
web:Wakako Ceramics
web:Wakako Ceramics
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Profile 坂本和歌子
大分県生まれ。大分県立芸術文化短期大学卒業。2007年、杵築市に〈Wakako Ceramics〉を開設。全国で個展や展示会を開いている。作品はHPのオンラインショップなどで買えるほか、2021年4月には別府市にショップをオープン予定。
credit text:輪湖雅江 photo:白木世志一
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