「この温泉、おかわりしたい!」
宇賀なつみが大分・別府で
ひと味違う温泉体験へ。
大のお風呂好き・宇賀なつみが、別府の温泉を味わい尽くす。
「朝起きて一番にするのは、お風呂にお湯を張ること」
朝晩入浴するほど大のお風呂好きであるフリーアナウンサーの宇賀なつみさんは、旅好き、温泉好きでもあります。わずかな時間を見つけては旅に出て、各地の温泉で日々の疲れを癒やすのが彼女のお決まり。
「肌で感じることって本能に近いと思う。風が肌をなでる感触とか、やわらかな湯触りとか。温泉って全身で触れて感じているから、生き物としての幸せを味わっている気がして、たまらなく好きなんです」
そんな宇賀さんも、別府に来るのは大学4年生のときに旅した地獄めぐり以来とのこと。
別府は日本一の湧出量を誇る温泉天国。バラエティに富んだ8つの温泉郷「別府八湯」が点在し、そこでは7種もの泉質を楽しめます。今回は別府でしか体験できない、泉質も入浴方法もひと味違う個性豊かな温泉めぐりに出かけました。
天然の入浴剤、湯の花ができるまで。明礬温泉〈みょうばん湯の里〉
あたり一帯が硫黄の香りに包まれ、温泉地に来た実感が強まります。訪れたのは明礬(みょうばん)温泉〈みょうばん湯の里〉。
ここでは地中から噴出する温泉の蒸気を結晶化させてつくる、天然の薬用入浴剤・湯の花の製造工程を無料で見学できます。
温泉成分と地中に埋めた青粘土が化学反応を起こしてできる湯の花。
実はこの湯の花、水にも乾燥にも弱く、結露ができたり、雨水が入ったりするとうまく育ちません。そこで、水分を吸水して蒸発させるわら葺き屋根を用いることで、雨風を凌ぎ適度な湿度を保ちます。
季節によって地熱の温度が変わるため、湯の花の成長スピードは変動するものの、およそ1日1ミリほど伸びるそう。収穫するまでには1か月半〜2か月ほどかかるといいます。
収穫して熱を取り、粉末にしたら湯の花のできあがり。江戸時代より300年近くも守り受け継がれてきた製法です。
「かたそうな見た目とは裏腹に、ほろほろくずれてしまうほど、ふわふわでやわらかく、とても軽い。霜柱みたい。これが湯の花なんですね」(宇賀さん)
〈みょうばん湯の里〉には標高350メートルの高台にある絶景露天風呂や、湯の花小屋を模したわら葺き屋根の家族風呂などがあり、湯の花づくりを見学してから入る温泉はきっと格別。
湯の花はお土産として購入も可能なので、手軽に自宅で温泉気分を味わうこともできます。
ここでつくられているのは湯の花だけではありません。
「温泉の蒸気でたまごを蒸すと、こんなに茶色くなるんですね。燻したような香りがします。普通のゆでたまごより、黄身も濃厚。温泉でつくられているからかな、ずっと熱い〜!」(宇賀さん)
明礬温泉〈岡本屋売店〉でいただく、名物〈地獄蒸しプリン〉
〈みょうばん湯の里〉の目と鼻の先にある〈岡本屋売店〉では、別府名物の〈地獄蒸しプリン〉を食べられます。
大分でとれた卵と牛乳、生クリーム、カラメルのみでつくったシンプルな一品。ここに温泉成分が溶けこんで、独特なコクが生まれるのだとか。
蒸気の温度は季節や天候によって変わるため、蒸す時間はその都度変えてつくられています。
「今日は17分がちょうどよいね。時間を読み間違えたら“す”が立ってしまいますから」と話すのは一人のスタッフ。
“す”とは、加熱のしすぎによって、その内部や表面にできる気泡のこと。なめらかな表面にするためには、蒸し上げる温度と時間が重要。加減の調整は熟練された3人の職人にしかできません。
「かたすぎず、やわらかすぎず、しっとりなめらかな食感。温泉成分のせいなのか、バニラのような香りがしました。ほろ苦いカラメルがアクセントになっていて、甘さとのバランスがちょうどいいですね」(宇賀さん)
この〈地獄蒸しプリン〉に加え、地獄蒸したまごサンドやとり天など、親子丼ならぬ親子弁当を楽しめるランチボックスも、地元の人も買いに来るほどの人気ぶりです。
明礬温泉ならではの味わい、ぜひご賞味あれ。