はじけるラムネの湯も。
大分の温泉名人が教える
【奥豊後エリア】の立ち寄り湯5選
日本有数の温泉地としても知られる大分県。湯めぐり旅行をしたいと思っても、数が多すぎて迷ってしまいますよね。そこで、温泉にまつわる難関試験を突破し、〈温泉マイスター〉の資格をもつ温泉名人がふらっと立ち寄れる日帰り温泉をエリア毎にセレクト。今回は、大自然を体感できるスポットが点在する【奥豊後エリア】の名湯を5か所ご紹介します。
※掲載情報は2021年1月時点の情報です。新型コロナウイルスの影響で営業時間、休業日などが異なる場合があります。詳しくは施設の公式HPなどでご確認ください。
多くの温泉郷が集まる奥豊後
歴史深い城下町や雄大な高原地帯、水と大地のパワーを感じるジオパークなどが点在する奥豊後(おくぶんご)エリア。竹田市には、長湯温泉・七里田(しちりだ)温泉・赤川温泉・久住(くじゅう)温泉・白丹(しらに)温泉・竹田温泉・荻温泉と多くの温泉郷があり、それぞれに特色ある泉質が楽しめます。
特に長湯温泉は、全国的にも珍しい日本屈指の炭酸泉(二酸化炭素泉)が湧くことで有名です。炭酸泉(二酸化炭素泉)は、全国に約3,100か所ある温泉地のうち、なんとわずか0.4%しか存在しない、たいへん希少な泉質です。湯にゆっくりと浸かると、細かな気泡が肌に吸い付き、なんとも不思議な感覚が楽しめます。
濃厚な温泉成分に注目したい「友喜美荘」
長湯温泉郷の中心から車で数分の所にある温泉旅館です。料理自慢の宿ですが、温泉も抜群。落ち着ける広さの内湯にセンスの良い露天風呂が併設しています。湯温が高いので、気泡はわずかですが成分が濃く、2か月に1回はパイプの掃除が必要なのだそうです。
ツウに人気のラムネの湯も。「七里田温泉館」
七里田は江戸時代にこの地域を治めていた岡藩の3代藩主がお茶屋を建て、湯治に来ていたという由緒ある温泉地です。20年ほど前にオープンした温泉館「木の葉の湯」に加え、徒歩1分ほどの川沿いには全国の温泉通に有名な「下の湯(ラムネの湯)」があります。全身が気泡にまみれる奇跡的な体験をぜひ。
シャワーは冷たい炭酸水! 「め組茶屋」
山と田んぼが広がる中に建つ温泉施設です。茶屋で料金を払い、奥にある温泉棟に進むと、半露天風呂と露天風呂を併設した大浴場。天井も高く、開放感のある施設です。シャワーは、冷水の炭酸水。お湯は、少し緑がかった濁り湯で、天然炭酸水の持ち帰りもできます。
貸切湯が充実の「湯屋天音」
長湯温泉の中心から車で10分。芹川沿いにある立ち寄り温泉です。貸切湯は全8室あり、内湯と露天を備えていて、部屋の前まで車をつけられます。大浴場は内外温度の違う湯船が4つ。長湯では珍しくメタケイ酸の含有量が多いため、美肌効果も期待できます。
夫婦が守る共同温泉「千寿温泉」
県道30号線沿いにある共同温泉。先代から引き継いだ温泉を、値上げせずに夫婦で守っています。受付不在時は、料金箱に100円を。長い時間浸かっていたくなるような丁度よい温度と、濃厚で素晴らしい湯に遠くからの常連客も多くいます。
温泉名人のこだわり! 温泉道
Profile 若松 君子名人
温泉マイスター、別府八湯温泉道名人。生まれ育った所に近い竹田の温泉を紹介できることをうれしく思います。
私が温泉道のことを知ったのは、海浜砂湯の係りの方からでした。すぐにスパポートを買い、スタンプを集めはじめたのですが、温泉名人になったのは、2017年で、あしかけ8年かかりました。おそらく、一番長くかかった名人ではないでしょうか? こんな私ですが、「別府すごいよ! 大分県の温泉すごいよ!」と宣伝しています。
奥豊後エリアで雄大な自然を体感したあとは、旅で疲れた体を癒すべく、炭酸温泉や美人の湯に身をゆだねて。施設にある温泉成分表や効能を見てから湯を堪能すると、さらに感じるものがあるはずです。
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※この記事は、斉藤雅樹(東海大学海洋学部教授)さん監修の『おおいた おんせんガイドブック』を再編集したものです。