連載|日常を楽しくする、大分の手仕事
木工家具屋がつくる“たおれんだるま”。
木工家具屋がつくる“たおれんだるま”。
日田市〈ID HOUSE〉の
ユニークな一品〈不撓楽天達磨〉 | Page 3
たおれんだるまは、
これからも受け継いでいく
40歳の頃に心臓手術、60歳で胃を全摘出するなど、病気がちだった邦隆さん。何度病魔に襲われながらも家具をつくり続けたいという意志は強く、入院と現場復帰を繰り返す姿は、自身が生み出した、たおれんだるまそのものでした。
ID HOUSEには、生前に邦隆さんが製作した家具や木材のストックがまだまだあり、これからも販売は続けていくそうです。
「この先、家具がなくなってもだるまだけは続けたいと思っています。やっぱり主人が倒れずひるまないという思いでつくっていたので。息子はまだまだつくれると思いますし、色着けはほかの家族でもできるので、なるべく続けていきたいですね。孫がとても器用で何でもできる子なので、ゆくゆくはだるまを引き継いでくれたら」と由美子さんは話します。
夫から妻へ、父から息子へ、そしてそこから孫世代へと脈々と受け継がれていくだるまのバトン。これがこの先もずっと続けば、たおれんだるまは日田市を代表する工芸のひとつになっていくかもしれません。
Information
*価格はすべて税込です。
credit text:川上靖代 photo:木寺紀雄
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