大分県立美術館(OPAM)の外観
連載|おおいたトラベルガイド

車がなくてもOK!
1泊2日で大分市・別府市の名建築巡り

Posted 2025.05.30
Instagram X Facebook

大分県の中心都市・大分市と、温泉地として知られる別府市には、名だたる建築家が手がけた魅力的な建物が点在しています。個性あふれる建築を巡りながら、アートや地元グルメにも出合えるこの1泊2日の旅のプランは、カルチャーに関心のある方にぴったり。すべて公共交通機関で巡れるルートなので、車がなくても安心です。

まちに息づく創造と風景に触れる、大分・別府の旅へ出かけてみませんか?

1日目は大分市で名建築巡り

大分空港に到着

エアライナーに乗車し約60分、JR大分駅前で下車

JR大分駅前で大分交通バスに乗車し約7分、オアシスひろば前で下車

Spot01 坂 茂が設計した〈OPAM〉で
アート鑑賞&カフェでランチ

大分県立美術館(OPAM)の外観
1階部分は壁一面のガラス張り、2階部分は竹細工のような意匠が印象的な外観。

2025年4月に開館10周年を迎えた〈大分県立美術館(OPAM)〉。「建築界のノーベル賞」とも呼ばれるプリツカー賞を受賞した経歴を持ち、広島県〈下瀬美術館〉やフランスの〈ポンピドゥーセンター・メス〉などを手がけてきた坂 茂による設計です。「街に開かれた縁側としての美術館」という設計コンセプトのとおり、館内はまちとのつながりを感じさせる明るく開放的な空間。現代アートから地元大分の近世美術まで、多彩な展示を楽しむことができます。

〈カフェシャリテ〉の「豊後牛100% シャリテ・ハンバーグステーキ」
厳選した豊後牛100%の自家製挽肉を使用し、丁寧に手ごねでつくり上げた「豊後牛100% シャリテ・ハンバーグステーキ」(1700円)はカフェで1番の人気メニュー。

館内にある〈café Charité(カフェシャリテ)〉では、すべてのメニューに大分県産食材が使用されています。展覧会やイベントに合わせ企画したメニューも。アートに囲まれた空間で、心もお腹も満たされるひとときを。

Information
大分県立美術館(OPAM)
address:大分県大分市寿町2-1
tel:097-533-4500
access:JR大分駅から徒歩約15分、バスで約10分
開館時間:10:00~19:00(金・土曜~20:00、入場は閉館の30分前まで)
休館日:原則無休
観覧料:コレクション展一般300円、大学・高校生200円 、中学生以下無料※企画展は別料金
web:大分県立美術館(OPAM)
Information
café Charité(カフェ シャリテ)
tel:097-578-7788
営業時間:11:00~17:00(ランチタイム11:00〜14:00)※変動あり、詳細はHPにて
定休日:無休(臨時休業日あり)

徒歩約12分

Spot02 〈アートプラザ〉で
磯崎新の建築作品を観覧

〈アートプラザ〉の外観
1966年竣工の大分県立大分図書館(現・アートプラザ)は磯崎新の代表作。2022年には国の登録有形文化財に登録されている。

大分市役所の向かいにある、コンクリートの大きな梁が飛び出したようなひときわ目を引く建物。〈アートプラザ〉と呼ばれるこの施設は、大分市出身の世界的建築家・磯崎新が設計した旧大分県立大分図書館をリノベーションしてつくられました。外観もユニークですが、スキップフロアを多用し高低差を設けた内部空間は、さまざまな角度から光を取り込みます。

〈アートプラザ〉内の展示室
展示室には磯崎新が手がけた世界各地の建築作品の模型や資料が常設展示され、建築理論に触れられる貴重な場所となっている。
Information
アートプラザ
address:大分県大分市荷揚町3-31
tel:097-538-5000
access:JR大分駅から徒歩約10分。またはバスで約5分、「大分市役所合同新聞社前」下車 徒歩約2分
開館時間:9:00~22:00(展示室は10:00~18:00)
休館日:年末年始(12月28日~1月3日) ※イベントが開催される場合は開館
入場料:無料
web:アートプラザ

徒歩約9分

Spot03 辰野金吾が設計した
〈大分銀行 赤レンガ館〉のカフェで休憩

〈大分銀行 赤レンガ館〉の外観
19世紀イギリスで用いられた手法をもとにした、赤レンガに白い石でラインを描く外観は「辰野式」と呼ばれている。二十三銀行本店として1913年に竣工。

東京駅や日本銀行本店 本館を手がけたことで知られる辰野金吾が設計した〈大分銀行 赤レンガ館〉。かつて銀行だったこの洋風建築には、現在、地元大分のプロダクトを取り扱うセレクトショップ〈Oita Made〉とカフェが入居しています。

〈タウトナコーヒー 赤レンガ店〉のコーヒーとケーキ
品質と鮮度にこだわったコーヒーを、ケーキと一緒に。コーヒー豆の販売も行っています。

スペシャルティコーヒーを提供する〈タウトナコーヒー 赤レンガ店〉では、ハンドドリップのコーヒーや季節ごとに変わるデザート、夏季にはかき氷も楽しむことができます。歴史の面影を感じさせる非日常的な雰囲気のなかで、ゆったりとした時間を過ごすのはいかがでしょう。

Information
タウトナコーヒー 赤レンガ店
address:大分県大分市府内町2-2-1
tel:097-529-6633
access:JR大分駅から徒歩約8分
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜
web:タウトナコーヒー

徒歩約8分、JR大分駅へ

JR大分駅上野の森口から大分きゃんバスで約6分、大分市美術館で下車

Spot04 内井昭蔵が設計した
〈大分市美術館〉でアート鑑賞

大分市美術館の芝生広場にあるゾウのオブジェが印象的な作品『遊星散歩』
芝生広場にある大分市美術館のシンボル『遊星散歩』(安藤泉)。風が強い日は、ゾウの鼻先の星がくるくると回る。

丘の上に建ち、上野丘公園の緑と調和したデザインが印象的な〈大分市美術館〉(1998年竣工)は、東京都の〈世田谷美術館〉や神奈川県の集合住宅〈桜台コートビレジ〉を代表作に持つ、内井昭蔵(うちいしょうぞう)により設計されました。建物はアースカラーでまとめられ、自然光が射し込むエントランスホールや展望ロビーからは、四季折々の景色を眺めることができます。

〈大分市美術館〉の展望ロビーに置かれたベンチとその先に広がる景色
2階・展望ロビーからの眺め。

日本画や豊後南画をはじめ、大分にゆかりのある作家による作品が所蔵・展示され、屋外にも美術作品が設置されています。自然のなかを散策しながらアートを楽しみましょう。

Information
大分市美術館
address:大分県大分市上野865
tel:097-554-5800
access:JR大分駅から大分きゃんバスで約6分
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日) ※第1月曜は開館し、翌日火曜が休館(ただし特別展会期中の火曜は開館)、12月28日~1月4日
観覧料:一般310円、大学・高校生210円、中学生以下無料 ※特別展は観覧料別途
web:大分市美術館

大分市美術館から大分きゃんバスで約6分、大分駅上野の森口で下車

日豊本線に乗車し約15分、JR別府駅で下車

別府駅西口から亀の井バスに乗車し約10分、観海寺入口で下車

徒歩約9分

Spot05 隈研吾が設計した
〈HOTEL DO-YA BEPPU〉に宿泊

〈HOTEL DO-YA BEPPU〉の外観
建築と地域文化が融合した滞在型ホテル。大分県産の木材をふんだんに使用した外観と内装が特徴。

宿泊は、2025年4月にオープンした〈HOTEL DO-YA BEPPU〉で。建築家の隈研吾が設計を手がけたこのホテルは、大分県産の檜の丸太が並べられた外観が特徴的です。

内装にも木材がふんだんに使用され、現代的でありながら木のあたたかみが感じられる空間となっています。別府湾や山々の美しい景観を望みつつ、まるで別府のまちに暮らしているようなリラックスした時間を過ごせそうです。

〈HOTEL DO-YA BEPPU〉の客室
食事や温泉のサービスはあえて設けず、別府のまちを自由に楽しむスタイルを提案している。
Information
HOTEL DO-YA BEPPU
address:大分県別府市大字南立石字川原端2044-1
tel:092-409-4892
access:JR別府駅からバスで約10分、「観海寺入口」で下車、徒歩9分
web:HOTEL DO-YA BEPPU

〈ビーコンプラザ〉の外観
Next Page|2日目は別府市で名タワー巡り

この記事をPost&Share
X Facebook