炒めるより焼く!
日田市のご当地グルメ
「日田やきそば」5選
日田市のソウルフード「日田やきそば」。一見、普通のやきそばとなんら変わらないビジュアル。それを口に含むと、「パリッ・モチッ」としたクセになる食感! 鉄板で焼き目をつけることで生まれる日田やきそばならではの口当たりで、昭和30年代に生まれて以降、いまや全国でも知られるご当地グルメとなりました。そのなかでもおすすめの5店をご紹介します。
あっさりソースがポイント!
旨み感じるひと皿〈みくま飯店〉
三隈川近くの商店街に位置する〈みくま飯店〉。こちらの日田やきそばは、モヤシやニラなどの素材を引き立たせるあっさりめのソースを使用しているのが特徴。2代目店主の吉田明彦さんいわく「日田やきそばは、待つ時間が一番大事」と、 “炒める”より“焼く”ことを大切にしながら調理しています。
メニューには、ランチタイムでいただける「やきそばランチセット」(600円、サラダ付きは700円)や「ラーメン・ぎょうざセット」(800円)といったリーズナブルなセットも。「やきそばランチセット」は、日田やきそばとご飯やスープ、サラダなどを一緒に楽しむことができるので、チェックしてみてください。
50年経っても変わらない、
自家製麺を引き立てる味〈三久〉
地元住民をはじめとする常連客はもちろん、県外のファンも多い〈三久(さんきゅう)〉は、今年で創業52年。県道212号から一歩路地へ入ったところにある、街角のラーメン店です。
半世紀にわたって愛され続ける所以は、なんといっても2代目店主・田中修さんが父である先代から受け継いだ自家製麺。その麺を使用したやきそばは、日田ならではのカリッ、モチッとした食感はもちろん、食べやすい太さと、程よいコシが特徴。自家調合のソースは甘めに仕上げており、麺の魅力を存分に楽しめるやさしい味わいです。
王道に「やきそば」(830円)を注文するのも良いですが、生卵のまろやかさがやきそばにマッチした「生玉子入りやきそば」もオススメです。
受け継がれる伝統と技術。確固たる老舗の味〈想夫恋〉
「日田やきそば」という名称が生まれる50年以上前のこと。日田でやきそばと言えば〈想夫恋(そうふれん)〉の「想夫恋焼き」のことを意味しました。
特徴は何といっても香ばしさと食感。鉄板の上に角切りされた豚肉を真っ先にのせ、脂と旨みを焼き出す間に麺をゆで、湯切りしたのち鉄板でしっかりと焼き目をつけていきます。モヤシとネギを投入してもヘラで炒めず、あくまでも焼く。秘伝のソースがかかったら、ヘラで高く持ち上げ振り落とす、を繰り返します。
できあがった想夫恋焼きを口に運べばカリっとした食感と独特の香ばしさ、スパイシーなソースが麺と具材を絶妙にまとめます。従業員の育成、教育に力を入れ、創業時から徹底された想夫恋焼きを守り続け、いまや日田を代表する名物となりました。
地元で愛される、3世代で紡いできた味〈天龍〉
創業は1968年(昭和43年)。現在は店主・薄木和子さんがほぼひとりでお店を切り盛りしています。
定番の「やきそば」もさることながら、気になるのは大分の名産・しいたけとコラボした「椎茸やきそば」。「まずは卵黄としいたけを混ぜて、そのあと麺ごと全部混ぜてください」という流儀に沿っていただくと、あっさり目のソースやきそばが、2日間甘く煮つけた乾(ほし)しいたけの旨みと卵黄のコクでバージョンアップしているではありませんか!
他店にはない新メニューとして考案した奇をてらった一品かと思いきや、これしか頼まない常連さんも。物珍しさで終わらないおいしさをぜひ体感してみてください。
歴史あるラーメン屋の人気やきそば〈来々軒〉
今年9月に創業68年を迎える、大分最古のラーメン屋だというお店。「叉焼麺」や「中華そば」をはじめとする豊富なラーメンメニューを差し置いて、オーダー率5割超えを誇るのが「やきそば」。
かれこれ60年近く提供している昔から変わらないひと皿は、ラードではなく「大豆白絞油」を使い、しっかりパリッと焼き目をつけた麺で、油はあっさり目にソースでコクを出すのがこだわりなんだそう。生卵やチャーシューなど追加トッピングも楽しめ、紅しょうがは卓上の容器からお好みで。
「季節ごとに気温や湿度を見て麺の寝かし時間を変え、いつも同じ味が提供できるよう心がけている」と話す店主の味を求めて、今日も県内外問わず多くの客が訪れます。
各店のこだわりを味わって
歴史、つくり方、味わいもお店それぞれ。さまざまなこだわりの先に生まれる「日田やきそば」。いろんな店舗を食べ歩いて、ぜひお気に入りを探してみてください。
*価格はすべて税込です。
credit edit:シティ情報おおいた編集部