別府市〈元町バル〉の、鴨肉のソテやエビのアヒージョなどの料理とグラスワインが並ぶ
連載|地元誌が教えてくれた、大分グルメの巡りかた

和食、焼き肉、バルまで。
名物料理でお酒が進む、別府市の居酒屋5選

Posted 2025.07.04
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大分県を代表する観光地であり、県内では大分市に次いで2番目に人口が多い別府市。源泉数・湧出量ともに日本一とあって、国内はもちろん、近年は海外からのインバウンド需要も増えています。

JR別府駅周辺にはさまざまなジャンルのお店が軒を連ね、夜になるときらびやかな灯りが人々を誘います。“別府観光の祖”といわれる油屋熊八をはじめとする先人らの尽力により、明治から昭和にかけて別府は目覚ましく発展。ホテルや旅館が増えていくたびに、旅人が疲れを癒やす食べ物やお酒を提供するお店が増えていきました。

「居酒屋」といっても、和食の王道居酒屋に、洋風のバル、おいしい名物料理でお酒が進む店まで、実にバラエティ豊か。数多あるなかで、今回は旅人の舌をうならせてきた、評判の店をピックアップ。地元情報誌『シティ情報おおいた』が特に注目する5軒をご紹介します。

継ぎ足しの出汁が染みたおでんは、
懐かしい屋台の味。〈九丁目の八ちょう目〉

〈九丁目の八ちょう目〉カウンター席からおでんが煮込まれた鍋が見える
外飲みができるテラス席はもちろん、昭和の写真が貼られたカウンター席もおすすめ。

別府駅西口を背に左方向へ。流川(ながれかわ)8丁目の信号を過ぎ、次の交差点の左角に、地元民や観光客でにぎわうテラス席が。古き良き昭和の時代を思わせるここは、老舗の居酒屋〈九丁目の八ちょう目〉です。

“まーちゃん”こと、店主・山中正之さんが父から受け継いだお店は、今年で創業75年。趣のあるカウンター席に座ると、厨房でひときわ存在感を放つ大きな鉄製のおでん鍋にそそられます。継ぎ足し続けてきた出汁が染みたおでんは、大根、こんにゃくなどの定番から豆腐や玉ねぎといった珍しいネタもラインナップ。昔懐かしい屋台の味にビールが進みます。

ラーメンどんぶりに入った冷麺と生ビール
「冷麺」750円。おでんは100円~とリーズナブル。

やさしい人柄が印象的な山中さんとの会話も楽しみながら、ぜひ〆の「冷麺」や「屋台ラーメン」700円まで堪能してください。

Information
九丁目の八ちょう目
address:大分県別府市光町13-16
tel:0977-22-1041
access:JR別府駅から徒歩で約10分
営業時間:17:00~23:00(22:00L.O.)
定休日:土・日曜
Instagram:@8chome_maachan

マグロをしゃぶしゃぶや唐揚げでも楽しめる。
多彩なマグロ料理なら〈陽なたや -hinataya-〉

〈陽なたや -hinataya-〉の「マグロしゃぶしゃぶ」
「マグロしゃぶしゃぶ」1人前1800円。飲み放題付きコース1人前5500円もあり。

居酒屋などが立ち並び、懐かしい雰囲気を残すJR別府駅周辺。その風景のなかにある〈陽なたや -hinataya-〉は、マグロ料理が堪能できる店として好評を博しています。

名物メニューは、佐伯市直送の脂がのったカジキマグロを使用した「マグロしゃぶしゃぶ」。マグロの味わいに合わせて調合したという特製の和風だしにさっとくぐらせ、食べやすくカットした野菜を巻いていただきます。あっさりとしていますが、マグロの旨みをしっかりと感じることができ、「海鮮は苦手だけどこのマグロしゃぶしゃぶは好き」という人もいるのだそう。

〈陽なたや -hinataya-〉の店内
アットホームな雰囲気の店内。地元のおひとりさまはもちろん、観光客の利用も多いのだとか。

ほかにも、「マグロ胃袋の唐揚げ」600円や「マグロの唐揚げ」720円など、試してみたいメニューが豊富にそろっています。

Information
陽なたや -hinataya-
address:大分県別府市元町4-10 ノーブルビル1F
tel:0977-26-4611
access:JR別府駅から徒歩で約7分
営業時間:18:00~23:00
定休日:月曜

旅疲れにも沁みわたる鴨鍋、
ファンは別府だけでなく全国に。〈お食事処 きむら〉

〈お食事処 きむら〉の鴨鍋
「鴨鍋」1人前3000円(雑炊付き、注文は2人前~)。添えられる柚子こしょうも隠れた人気者で、鼻に抜ける爽やかな香りがたまりません。

別府で長く愛される名店〈お食事処 きむら〉。気さくな店主がアットホームな雰囲気で迎えてくれ、観光でも訪れやすいお店です。

こちらで食べてもらいたいのは、なんといっても「鴨鍋」! お取り寄せも可能で、日々全国から注文が舞い込むそう。厚切りの鴨肉にたっぷりの野菜というシンプルな具材は、やさしい味のスープと合わせることで、最後の一滴まで食べたくなるほどやみつきな味に。

〈お食事処 きむら〉の外観
別府の地で40年以上にわたり、ご夫婦でお店を営んでいます。

ほかにも、りゅうきゅうやとり天といった郷土料理から、カレーなどの一品料理までそろう多彩なメニューは、地元民が「何を食べてもおいしい」と太鼓判を押すクオリティ。お客さんとのコミュニケーションを大切にしているという店主との会話もぜひ楽しんで。

Information
お食事処 きむら
address:大分県別府市新港町2-14
tel:0977-24-2523
access:JR別府駅から車で約10分
営業時間:18:00~21:00(20:00L.O.)
定休日:木曜

地元民に愛される
老舗焼き肉店〈焼肉 一力〉

「ヒレ角切り」と「極上ロース」が銀皿に盛られている
「ヒレ角切り」1550円や〈おおいた和牛〉の「極上ロース」1350円をはじめ、質の高い肉を提供。

17時に開店すると瞬く間に席が埋まる〈焼肉 一力〉は、「別府の焼き肉店だったらココ!」と名が挙がるほどの名店です。昭和の面影を残す店内は、カウンター席にひとりひとつずつガスロースターが用意され、思い思いに肉を焼いていくスタイル。

ロースターの上で焼かれている特上ホルモン
「特上ホルモン」520円。端にカリっと焼き目がついたら食べごろ。

なかでも大ぶりの「特上ホルモン」は、したたり落ちる脂で豪快に火柱と煙が立ち、ジュワジュワっと表面に脂が浮かび上がって食欲をそそります。醤油ベースの特製タレをつけて口に運べば、プリップリのかみ応えととろける脂の旨みがたまらない、リピート必須の一品。

〈焼肉 一力〉の外観
赤いちょうちんとのれんが目印。

分厚くてもさっくりとかみ切れるほどやわらかい「ヒレ角切り」1550円や、「極上ロース」1350円の味わいを求めて、県内外から足を運ぶ人も多数。世代を超えて愛される焼き肉店は、煙と客の笑い声で満ちています。

Information
焼肉 一力
address:大分県別府市駅前本町6-37
tel:0977-24-6783
access:JR別府駅から徒歩で約3分
営業時間:17:00~0:00
定休日:木曜
Instagram:@yakinikuichiriki_beppu

グラスワインが300円〜のカジュアルバル。
懐にやさしい価格も魅力な〈元町バル〉

〈元町バル〉の料理各種と赤白グラスワインが並ぶ
「かも肉のソテ ガストリックとオレンジソース きのこのグリル添え」1900円、「エビのアヒージョ」800円、「自家製バケット」+200円。

飲み歩きに最適なお店が軒を連ねる元町地区に店を構える〈元町バル〉は、地元の大学生から年配の人まで幅広い世代が訪れ、日々にぎわいを見せています。

「バルと掲げていますが、トラットリアやオステリア(=大衆的なレストラン)に近いですね」と店主の樋口太さん。パスタやピザ、アラカルト、肉・魚料理などイタリアンをベースにした充実のメニュー構成ながら、どれも本格的な料理ばかり。

〈元町バル〉の店内
入り口から階段を少し下りた隠れ家的存在。全方位から厨房が見渡せる親しみやすい雰囲気もまたすてきです。

例えば、アヒージョは具材がエビならワタリガニを用いたアメリケーヌ風味のオイルを、キノコなら鶏ガラ風味のオイルをそれぞれ採用するなど、調味料は控えめに素材を引き立てる味つけを心がけています。それでいて、グラスワインは300円~と気軽に注文しやすい値段なのも魅力のひとつです。

Information
元町バル
address:大分県別府市元町8-10
tel:050-1442-7088
access:JR別府駅から徒歩で約8分
営業時間:18:00~0:00(23:00 L.O.)
定休日:日曜
Instagram:@beppu_motomachi_baru

温泉だけでなく、夜の別府も見逃せない

別府は温泉だけにあらず! おいしい“食”を目的に訪れるのも十分価値があります。温泉にゆったり浸かって、別府のまちへ繰り出して美食に舌鼓を打ち、身も心も満たされて眠りにつく……別府の旅がより忘れられないものになるはずです。

*価格はすべて税込です。

credit edit:シティ情報おおいた編集部

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