野口奈々絵さん、泰秀さんと2人のお子さん
連載|あの人に会いたい!

杵築市山香の暮らしを感じる古民家宿
〈yamakaoru〉〈matai〉
野口奈々絵さん&泰秀さん

Posted 2025.08.29
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1日ひと組限定、築150年の古民家民泊

大分県杵築市山香(やまが)町。田畑と山に抱かれたこの地域は、足を止めてしばらく過ごしたくなる場所として、旅慣れた人や移住者のあいだで静かな人気を集めています。

山香町の田んぼが広がる景色
豊かな自然が広がる山香町。

このまちが人々を惹きつけてやまない理由は何でしょうか? 約6年前にこの地へ移住し、現在は民泊の宿〈yamakaoru〉と一棟貸しの宿〈matai〉を営む野口奈々絵さんを訪ねました。

JR日豊本線・中山香駅から車で約5分。yamakaoruは、古き良き住まいの風情を残す築約150年の古民家。玄関のガラス戸に記された屋号と、その奥で揺れる白い暖簾が、訪れる人を静かに歓迎してくれます。

〈yamakaoru〉の入口の扉

最初に出合ったのは、庭先を歩く烏骨鶏の家族。この家の日常へ踏み込む合図のように、穏やかな時間が流れ始めます。

庭を歩き回る烏骨鶏
ここでは数羽の烏骨鶏とウズラたちが同居中。

続いて笑顔で出迎えてくれたのは、この民泊のオーナー、野口奈々絵さんです。

奈々絵さんの手首にのったウズラ
〈yamakaoru〉を営む野口奈々絵さん。鶏たちも自由に庭先を歩き回ってのびのびと暮らしています。

現在は、大工である夫の泰秀さんと、3歳と1歳の子どもの4人家族で、この自宅兼民泊で暮らしています。建物に入ると、正面にはテーブルと椅子を配した宿泊客専用のダイニングルーム、右手には縁側からやわらかな光が差し込むリビングルームがあります。

〈yamakaoru〉のダイニングルーム
左側の小窓は土間のキッチンとつながっていて、窓の向こうから奈々絵さんが支度する音が聞こえてきます。
板張りの床と木製のテーブルや棚に囲まれたリビングルーム
アットホームなリビングルーム。

昔から当たり前にあったかのように空間になじむ家具や建具たち。これらはリノベーションする以前から奈々絵さんが集めてきたものだそう。

「解体が決まっている家を見つけたら、直接交渉に行っていました。あるときはユンボが動く横で床板を剥がしたこともあります(笑)」と、なかなかタフな一面も。

リビングの奥には、墨を練り込んだ漆喰壁が空間に落ち着きをもたらす客室「SUMI」、2階にはグループでも泊まれる客室「HARI」があり、現在1日ひと組限定での予約が可能です。

ベッドが2つ置かれた客室「SUMI」
母屋の“隅”に位置する部屋であることと、漆喰に“墨”が練り込まれていることをかけて「SUMI」と名づけられた部屋。
黒い梁の存在が際立つ客室「HARI」
2階の「HARI」の部屋は、その名のとおり“梁”がこの部屋のシンボル。天井は低めですが、最大で7名が宿泊可能な広さです。

もちろん、ここにはテレビはありません。窓の外から鳥や虫たちの声のBGMが届く贅沢なひとときを過ごすことができそうです。

ゲストは子連れの家族や、古民家リノベーションに関心のある方が多いそう。奈々絵さんが日々インスタグラムで発信するこの家の風景や山香での暮らしに惹かれて、県内外から訪れる人もいます。


土間のキッチンでお茶を淹れる奈々絵さん
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