〈でぃーぷまりん〉の安部あづみさんと安部達也さん
連載|あの人に会いたい!

人口12人の離島で、
日々の暮らしを生業に。
〈でぃーぷまりん〉
安部あづみさん&安部達也さん

Posted 2023.10.31
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県最南端の離島から島の魅力を発信する

佐伯市の蒲江から南へ9キロ。1日4便の定期船が往復する、大分最南端の深島。島で唯一のカフェと宿泊施設、深島みその製造・販売を手がける〈でぃーぷまりん〉を営む安部あづみさんと達也さん夫妻を訪ねました。

ひょうたん型ともいわれる深島のくぼみの部分にある定期船乗り場から歩いて5分。東に海が見える場所に、この夏リニューアルオープンした〈inn&café でぃーぷまりん〉はあります。

外壁にも内装にも木材をたっぷり使ったでぃーぷまりんの扉を開けると、「こんにちは」と笑顔のあづみさんが迎えてくれました。

〈inn&café でぃーぷまりん〉の外観
海を臨む場所に立つ〈inn&café でぃーぷまりん〉。(写真提供:でぃーぷまりん)
安部あづみさん

建物の一角にある〈café むぎ〉のランチメニューには、深島みそを使ったパスタやリゾット、佐伯でつくられた干物、おおいた和牛を使ったカレーに、デザートもオンリスト。ジュースやフルーツサイダー、クリームソーダにコーヒー、紅茶、アルコールも揃うので、ゆっくりカフェ利用にもぴったりです。

テーブル席、カウンター席、小上がり席のほか、広いテラス席も備えたカフェスペースは、〈inn えびすねこ〉に宿泊する際の食事スペースにもなります。

目の前に海が広るでぃーぷまりんのテラス席
inn&café でぃーぷまりんのテラス席。人工物に遮られない静かな絶景。(写真提供:でぃーぷまりん)
〈café むぎ〉の窓際カウンター席
〈café むぎ〉店内。海に面した気持ちのよいカウンター席。

1日ひと組限定、1泊2食付きの宿の夕食は、深島や佐伯でとれた魚介、山菜や自家栽培の野菜、深島みそなど、地元の美味をたっぷり取り入れたコース仕立て。夏なら海鮮BBQ、冬の魚しゃぶしゃぶも人気です。食材を集めるところから参加できる、島の暮らしをもう一歩深く知ることのできるうれしいオプションもあります。

地産地消を体感するメニューの監修は、湯布院〈ラ・ヴェルヴェンヌ〉の渡辺亨シェフ。夫妻の古くからの友人です。調理を担当する達也さんは、日々厨房に立つのはもちろんのこと、畑でハーブや野菜を育て、あづみさんの実家や佐伯の知り合いの農家から届く野菜も使います。

深島みそパスタ
深島みそパスタランチ1650円。3種からソースが選べます。サラダ、スープ、パン付き。
小鉢もたくさんつく佐伯の干物ランチ
佐伯の干物ランチ1650円。この日はアジの開き。小鉢やスープにも深島の食材を使用。
「今日のワンプレートランチ」
今日のワンプレートランチ1650円。パンとご飯から選べます。スープ付き。

達也さんが海に出てとる魚やイセエビなどの魚介類は、カフェで提供されるほか、みそ漬けなどの加工品にも使われます。

やさしい木の香りが漂うinn えびすねこの客室には、セミダブルベッドふたつ、ソファーベッドひとつ、ロフトには布団を敷くこともでき、大人数のファミリーなども滞在できる設備。広々と気持ちのいい空間にはダイニングテーブルが置かれ、夕食、朝食をここでとることも可能です。大切な人との特別な時間を過ごしてほしいという夫妻の思いが伝わります。

〈inn えびすねこ〉の客室
海から気持ちのいい風が流れこむ客室。ゆったりとした時間が過ごせます。

大きな窓の向こう、ウッドデッキの先には、海と四国、淡々しい水平線が広がります。夜になれば、ずっと見ていられるほどの星の瞬き。途絶えることのない波の音が、慌ただしい日常や喧騒を洗い流してくれるかのようです。


〈でぃーぷまりん〉の客室
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