
大分の若手バンドに経験を伝えたい。
ロックバンド・go!go!vanillas
牧達弥、長谷川プリティ敬祐 | Page 2
食べ盛りのふたりを支えた大分の食
ふたりがバスケ部の部活動のときに、家族からよく差し入れされていたものが、今や郷土料理として全国区の知名度を誇る、大分市吉野地区に伝わる鶏めしのおにぎりです。

「部員も多いし、食べ盛りなので差し入れとしては最適でしたね。甘い醤油の味つけは、僕たちには当たり前で食べ慣れています」(牧さん)
「あと実は僕が好きだったのが、牧のお母さんがつくってくれたイモ天です。特に大分名物ではありませんけど(笑)」(プリティさん)

学生時代のふたりの「食」の思い出という意味では、大分発祥のファミリーレストラン〈ジョイフル〉は外せないといいます。
「高校生のときは、放課後はまずジョイフルに行くのが定番でした」(プリティさん)

「待ち合わせ場所自体がジョイフルでしたね。ほかの高校の仲間も多かったので『城崎(大分大手町店)のジョイで』『南大分のジョイで』とかいろいろなジョイフルに行きました。今では考えられないですが、当時はたしか日替わりランチが399円で食べられた。ドリンクバーも、定食を頼んでクーポンを使うと80円とかで。ずっとジョイフルにいました」(牧さん)
ふたりの胃袋を満たしたのは、ベクトルは違えど、どちらも大分県民のソウルフードといっていい鶏めしにジョイフル。東京で活躍しているふたりでも、案外、「普通の大分県民」していてホッとするセレクトです。

さらにそれぞれの食の思い出も教えてもらいました。

牧さんの母親が大分の百貨店〈トキハ〉の帰りに買ってきてくれたのが〈てったこ〉のたこ焼き。大分のローカルチェーン店で、当時は2店舗しかありませんでしたが、現在では県内に9店舗を構えます。イートインスペースもあり、お酒も提供しているのでバー感覚で行くこともできます。
「小さい頃の思い出です。タレがかかっているタイプでおいしかったですね」(牧さん)

プリティさんが学生時代にアルバイトをしていたのが〈鮨 ちはる〉です。

「当時は自分のお金で食べることはできなかった高級店ですが、大将の友だちが開催してくれる食事会みたいなものがあって、そこで握ってくれる寿司がとにかくうまかった。大人になってから、親を連れて行ったことがあります」(プリティさん)
プリティさんは寿司のおいしさだけでなく、大将と女将さんの人情にも惚れたといいます。
「すごくやさしかったんです。僕が修学旅行でシフトに入れないことを怒られるかなと子ども心に思っていたら、逆にお餞別をくれたり。今でも交流はあって、大将と女将はライブにも来てくれました」(プリティさん)
