神秘の国東半島。六郷満山を体験する旅
大分県の北東部に位置する国東(くにさき)半島。周防灘に丸く突き出した形が特徴で、国東市や豊後高田市、杵築市(きつきし)、日出町(ひじまち)によって構成されています。大分空港が国東市にあるため、県外からの観光客もアクセスしやすく、レンタカーを使えばめぐりやすいのも魅力です。
そんなこの地に古くから伝わるのが、神仏習合(日本の神道と外国から伝わった仏教の信仰を融合させた考え方)の発祥の地となった「六郷満山(ろくごうまんざん)」です。
国東半島の最高峰である両子山(ふたごさん)を中心に広がる谷々に沿った6つの郷(来縄、田染、伊美、安岐、武蔵、国東)を「六郷」、それらの郷に築かれた寺院群のことを「満山」と呼び、2018年に開山1300年を迎えた今なお、この地域では神仏習合の文化が連綿と受け継がれています。
この記事では、そんな国東半島に根づく六郷満山文化を体験できる1泊2日のプランをご紹介します。今回はレンタカーを借りて、ドライブしながら各スポットを巡る旅となっていますよ。
1日目は六郷満山文化が息づく古刹(こさつ)めぐり
大分空港に到着
車(レンタカー)で約30分
Spot01 〈両子寺(ふたごじ)〉に参拝
両子山の中腹にある〈両子寺〉は、718(養老2)年に宇佐八幡神の化身といわれる仁聞(にんもん)によって開かれました。六郷満山のなかでは山岳修行の中心で、江戸時代から総持院として全山を統括してきた歴史を持ちます。境内には数多くのモミジが植えられており、秋になると紅葉の名所としてたくさんの人が訪れます。
車で約3分
Spot02 〈両子河原座〉でそばに舌鼓
両子寺の参道入口にある食事処。両子山系の名水を使った手打ちそばが名物で、なかでも「開運そば」という地元野菜を使った天ぷらや小鉢などがセットになったメニューは、ご利益のありそうなネーミングから人気が高いのだとか。そのほか、平日限定のお得なランチセットも提供しています。
車で約30分
Spot03 〈文殊仙寺(もんじゅせんじ)〉に参拝
文珠山の中腹にある〈文殊仙寺〉は、仁聞が開いたとされる六郷満山の寺院が多いなか、唯一、役行者(えんのぎょうじゃ)によって648(大化4)年に開かれました。「三人寄れば文殊の知恵」ということわざの発祥の地とされている日本三文殊のひとつでもあります。知恵をつかさどる文殊菩薩をご本尊としていることから、県内外から合格祈願や学業成就を祈願する多くの参拝者が訪れます。
車で約30分
Spot04 アントニー・ゴームリーの彫像を鑑賞
イギリスの芸術家であるアントニー・ゴームリー。彼の等身大の彫像『ANOTHER TIME XX』が立つのは、六郷満山を開いたとされる仁聞にとって縁の深い、千燈(せんとう)地区の山の頂上付近です。東の方角を向いて立つ像の視線の先には、海と山が織りなす美しい景色が広がります。
車で約35分
Spot05 〈旅庵蕗薹(りょあん ふきのとう)〉に宿泊
国宝〈富貴寺(ふきじ)〉に隣接する旅館。食事はすべて手づくりにこだわり、地元の野菜を使った料理などがいただけます。炭酸水素塩泉の天然温泉に浸かれば、旅の疲れも癒やされるはず。希望者は〈富貴寺〉での座禅や写経体験もできます。