大分県の魅力を発信し続けたい！
TBSアナウンサー・江藤愛 | Page 3
故郷に誇りを持って生きていきたい
地元を離れたからこそ気づく大分の魅力もあったと言います。そのひとつが、社会人になって初めて訪れたという日田市にある「小鹿田焼（おんたやき）の里」。約300年もの間、伝統的な技法を守りながらつくり続けられている陶器「小鹿田焼」の窯元９軒が集まる集落で、「残したい日本の音風景百選」にも選ばれています。
「私が訪れたときは雨だったんですが、またそれがよくて。雨音の中に、唐臼（からうす）で土を粉砕する音が絶えず聞こえていて、まるで時の流れが止まったかのような居心地のよい場所でした。鉋（かんな）を使って連続的な細かい模様をつける技法『飛び鉋』は圧巻でしたし、ものづくりの魅力に気づくこともできた。ちなみに、愛用しているお茶碗はもちろん小鹿田焼です」
大人になってからは、由布院や別府など、大分にいた当時はあまり行かなかった「観光地巡り」をすることも楽しみだと言う江藤さん。「おんせん県おおいた」というだけあって、温泉地は格別のようです。
「母と一緒に出かけた〈由布院 玉の湯〉はすばらしかったですね。自然と一体になれるような空間は、大人になったからこそ味わえる贅沢な癒しでした。竹田市・長湯温泉にある〈ラムネ温泉館〉もオススメです。全国的にも珍しい炭酸泉で、体の表面にブツブツブツブツっとまとわりつく感覚が楽しくて、ずっと肌を触っていたくなるほど。ぬるめのお湯ですが、ずっと入っていると体の芯からぽかぽかしてくる。藤森照信さんが設計された建築もかわいくて最高ですよ」
新しい魅力発見という意味では、意外なスポットの名前も。
「約1000頭のサルが集まってくる大分市の〈高崎山自然動物園〉が気に入っています。もう、サルに会い行くのが楽しくて楽しくて（笑）。餌やりの時間に、運がいいと“サルの股くぐり”体験ができるんです。サルが人の股の下をくぐるといいことがあると言われているのですが、私の下を通ったのが、なんとボスザル！ メスがボスザルになったり、恋のやり取りが繰り広げられたり、人間ドラマならぬ猿ドラマがすごくおもしろくて、まったく飽きませんよ（笑）」
また、高崎山から少し足を延ばして、別府冷麺を食べに行くことも楽しみのひとつだそう。
「もちもちした太めの麺に、牛肉のチャーシューとキャベツ（店舗によっては白菜）のキムチが添えられたご当地麺は、さっぱり食べられるせいか、ペロリと完食してしまいます」
アナウンサーとして、私たちに日々のニュースや情報を伝えてくれる江藤さんですが、日本各地の魅力を発信していくことにも携わりたいという夢があるそう。
「今、進行を務めている『THE TIME,』という番組の中に、日本各地の知られざる風習や文化を紹介する企画があるんです。そこで先日初めて、大分県の南部ではカメノテ（“亀の手”に形が似た甲殻類）を、日田市ではもみじ（味つけした鶏の足）を食べるというのを知ったほど。18年も住んでいた大分ですら、知らないことだらけで驚きました。海外旅行もいいけれど、日本のことをもっといっぱい知り、それを皆さんに伝えるお手伝いができたらなぁ、と思っています」
そして、最後に「大分出身のアナウンサーでよかった」と、しみじみと話してくれた江藤さん。
「私自身、都会に憧れて上京し、今は東京で働いていますが、いつもどこかに故郷の存在を感じている気がするんです。大分があるからこそ、やりたいことをがんばれるというか。自分の故郷に誇りを持って生きるーー日本中の人がそんな思いを抱けたら、すごくいいなぁ。故郷があるって本当にすばらしい。そんな全国の故郷の魅力を、これからも一生懸命お伝えしていきたいと思っています」
1985年大分県日田市生まれ。青山学院大学卒業後、2009年TBSテレビ入社。『CDTV ライブ! ライブ!』（月曜21:00〜）、『ひるおび』（月曜〜水曜10:25〜）、『THE TIME,』（木曜・金曜5:20〜）など、数多くの番組にレギュラー出演している。７月16日には『音楽の日』（14:00〜22:00）に出演。乞うご期待！ Twitter｜@aietoTBS
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