安心院スパークリングワインのボトル
連載|おおいた食手帖

国内外の品評会で受賞多数!
安心院スパークリングワインの魅力とは?

Posted 2023.02.17
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国産ぶどうを100パーセント使用して、国内生産されるワインを対象とした品評会「日本ワインコンクール2022」において、金賞受賞。同時に、スパークリング部門での「部門最高賞(各部門における最高得点のものに贈られる賞)」も7度目の受賞を果たした、日本一のスパークリングワインが大分県でつくられているのをご存じですか?

大分県宇佐市安心院町(うさしあじむまち)にあるワイナリー〈安心院葡萄酒工房〉でつくられる〈安心院スパークリングワイン〉。フランスのシャンパーニュ(シャンパン)と同じ、瓶内二次発酵製法を用いて醸され、世界最高峰のスパークリングワインの品評会「シャンパン&スパークリングワイン・ワールド・チャンピオンシップ」で、日本ワインとしては初の銀賞を2年連続で受賞するなど、国内外で高い評価を得ています。

地元・安心院産のぶどうのみを使ったワインづくり

自然豊かな〈安心院葡萄酒工房〉のエントランス
〈安心院葡萄酒工房〉のエントランス。ワイン醸造場やぶどう畑が広がる敷地内に見学ルートが設けられています。

〈安心院葡萄酒工房〉があるのは、大分県北部の宇佐市安心院町。周囲を750~900メートル級の山々に囲まれた盆地であることから、昼夜の寒暖差が激しく、九州のなかでは比較的雨が少ない地域です。

秋から冬にかけての寒い晴天の朝は放射冷却により朝霧が発生し、墨絵のような美しい景色が広がることも。この温度差がぶどうの栽培に適し、芳醇なワインを醸すといいます。

ぶどう畑の風景
9月頃、敷地内から見下ろしたぶどう畑の風景。写真提供:安心院葡萄酒工房

その歴史は、1971年に遡ります。本格麦焼酎の〈いいちこ〉で知られる〈三和酒類〉が果実酒製造免許を取得し、ワインの製造を開始。その後、原料であるぶどうの栽培にも力を入れようと、2001年に〈安心院葡萄酒工房〉を開業しました。

ワイン仕込み用の巨大なタンクが並ぶ
仕込み中のワインが入ったタンクなどが並ぶ醸造場の様子。ガラス越しに見学できます。

「ワイナリー設立当初は、安心院をメインにほかのエリアのぶどうも使っていました。しかし、ここでワインをつくるからにはこの土地のぶどうにこだわろうと、2006年頃から、安心院産のぶどうのみに切り替え。2011年には、自社の〈あじむの丘農園〉でぶどうの栽培もスタートしたんですよ」

こう話すのは、ワイナリーの設立当初からワインづくりに携わってきた課長の岩下理法(いわしたりほう)さん。

「現在では、シャルドネ、メルローなどの専用品種と試験栽培を合わせて約30の品種を栽培して、安心院のテロワール(土地の個性)にぴったりとマッチするぶどうを探し続けています」とも。

瓶を逆さにしてオリの状態を確認
瓶の中のオリの状態を見て、スパークリングワインの貯蔵の状態を確認する岩下理法さん。

〈安心院葡萄酒工房〉の商品ラインナップは約30種類。一般的なスティル(非発泡)ワインやスパークリングワインのほかに、デザートワインやブランデーもつくっています。

ワインの貯蔵庫
敷地内の斜面を利用したワインの貯蔵庫。半地下にすることで年間を通して一定の温度を保つ工夫がなされています。
貯蔵庫内にある年代物のワイングラスの展示コーナー
貯蔵庫の一角には、ワイナリーのオープン時に、コレクターから譲り受けた年代物のワイングラスを展示するコーナーもあります。年に数回、展示替えが行われるそう。
ワイン熟成用の樽がずらりと並ぶ
ワインを熟成する樽は約250本。フランス、アメリカ、東欧などでつくられた、さまざまな仕様の樽を用いるといいます。

「日本ワインコンクール 2022」で金賞を受賞した白ワイン〈安心院ワイン アルバリーニョ 2021〉をはじめ、多くの銘柄が国内外の品評会でさまざまな賞を受賞。さらに、高品質のワインを生み出す醸造所を表彰する「日本ワイナリーアワード」では、4年連続で最高位の五つ星を獲得。ワインと並びワイナリーのクオリティの高さも評価されています。


二次発酵に向けてコンテナに瓶をつめている
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