連載|おおいた食手帖
生産量日本一! 大分県の乾しいたけ専門店
生産量日本一! 大分県の乾しいたけ専門店
〈やまよし〉に聞く
その魅力とおいしい活用術 | Page 2
知れば知るほど奥深い! 乾しいたけの世界
乾しいたけとひと口に言っても、いくつかの種類があります。見た目の違いでは、大きく分けて3種類。品種に関係なく、収穫する段階で分けられ、傘の開く直前は冬菇(どんこ)、開き始めが香菇(こうこ)、傘が開いたものが香信(こうしん)とされています。
冬菇は傘が開く直前で収穫されるため、巻き込みの強い丸っこい見た目が特徴で、肉厚で歯ごたえがあります。そのなかでも傘の表面に細い亀裂が入り、全体的に白いものは天白冬菇(てんぱくどんこ)と呼ばれています。この天白の亀裂や色は気象条件などによって表れるそうで、全体の生産量の1%くらいしか収穫されないことから、大変希少性の高い最高級品とされています。
肉厚な冬菇は水で戻したあと、水気をきり、バターとしょうゆでステーキにするのがおすすめだそう。乾燥させることで、三大旨み成分のひとつといわれる「グアニル酸」が発生するため、生のしいたけステーキよりも旨みが増してさらにおいしいのだといいます。
傘が開ききった状態の香信は、平らな形のいわゆる一般的なしいたけの見た目。厚みがそれほどないため水戻しの時間も短く、和え物や炒め物に使うのがおすすめとのこと。ちなみに冬菇と香信では味に違いがあるのかと河内さんにうかがったところ「そんなに大きな差はない」そうです。
戻し方にもコツがあり、早く使いたいからといって水やぬるま湯で数時間戻すのは、もったいないと河内さん。
「冷たい水を使ったほうが旨み成分のグアニル酸が出やすいので、5度くらいの水に乾しいたけを入れて、冷蔵庫で10時間ほどおくのがおすすめです。時短のためにお湯を使って短時間で戻そうとしてしまうと、部分的に火が入った状態になり、歯ごたえはガシガシして風味も半減してしまうんです」
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