たけた駅前ホステルcueの暖簾
連載|あの人に会いたい!

竹田と旅人をつなぐ古民家ゲストハウス
〈たけた駅前ホステルcue〉
堀場さくらさん | Page 2

Posted 2021.01.29
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移住話から芽生えた、さくらさんの新しい夢

さまざまな移住フェアへと足を運んでは移住先と転職先の両方を探す日々。そんな時に出会ったのが竹田市でした。そこで夫妻は「地域おこし協力隊」という制度を知り、さくらさんは教育担当枠、貴雄さんは移住担当枠で応募。その後ふたりは3年の任期で竹田市へ移り住むこととなりました。

姫だるま
中央にあるのは竹田の縁起物「姫だるま」。まちのいたるところでその姿を見ることができます。テレビで取り上げられたことがきっかけで、作家モノは入手困難になってしまったそう。

実は移住が決まる以前から、さくらさん夫妻には新しい夢が芽生えていました。それは、ゲストハウスを開業すること。

「3年の任期が終わったあと、せっかくなら自分たちで何かを始めたいよねって話をよくしていました。夫婦ともに旅が好きだし、旅先では素泊まりの宿をよく利用していたので、今度は自分たちが旅人を受け入れる場を竹田につくろうと思ったんです」 

客室の入り口

地域おこし協力隊の任期がちょうど折り返しの頃、さくらさん夫妻は元化粧品店だった古民家が売りに出ていることを知ります。豊後竹田駅からも徒歩数分とアクセスもよく、ゲストハウスにはかなり適した立地条件。ただ一番のネックは賃貸ではないということ……。

古民家をゲストハウスにするためには大がかりなリノベーションが必要です。費用のことを考えると即決はできない状況でした。

そんなとき、古民家の購入に手を挙げたのが、竹田でイタリアンレストラン〈Osteria e Bar RecaD(オステリア・エ・バール・リカド)〉を経営する友人の小林孝彦さんでした。以前からさくらさん夫妻の夢を知っていた小林さんは、その古民家でゲストハウスを運営してみないかと提案。

その後、どうすれば物件を取得し開業までこぎつけられるのか、よりよい場所にしていくにはどうすればよいのか、話し合いを重ねていきました。

藍色に白文字が映える暖簾
のれんの藍染はさくらさん自身で染めたそう。

ゲストハウスには、旅人だけでなく地元の人たちも気軽に立ち寄れるカフェ・バーのようなスペースをつくりたいと考えていたさくらさん。

そんなことを小林さんに相談したところ、竹田で長く愛されてきたパン屋〈かどぱん〉に移転の話が出ていたことを知っていた小林さんが、かどぱんのオーナーにその話をもちかけ、すぐに交渉成立。1階のカフェスペースでパンの販売とカフェ営業をすることとなりました。

かどぱんのパン
安心安全でおいしく、食べた人が幸せになるパンづくりがモットーという〈かどぱん〉。(写真提供:かどぱん)
朝食セット
cueの朝食サービスは700円。もれなくかどぱんのトーストがついてきます。

リノベーションには、小林さんの店も手がけた長野県諏訪市の〈株式会社リビルディングセンタージャパン〉の東野唯史さんへ依頼。できるだけ古民家の良さを生かしつつ、すでにそこにあった家財や資材を生かしながら内装に手を加え、2017年の4月、やっとの思いで〈たけた駅前ホステルcue〉のオープンへとこぎつけました。

開業当時はまだ「ゲストハウス」という宿泊スタイルがあまり浸透しておらず、ホテルと同じ感覚で宿泊予約したお客さんとのミスマッチもあったそう。

「はじめのうちは利用者の口コミひとつで浮き沈みすることもありました。だけど、いま目の前にいらっしゃるゲストさんのことを大事にしていこうと決めたんです。次第にリピーターさんも増え始め、いまではcueに来ることを目的に竹田を訪れる人もいたりして、ありがたい気持ちでいっぱいです」

インタビューを受ける堀場さくらさん
取材中、パンを買い求めに来店するご婦人やインタビューを受けるさくらさんを見かけて窓の外から手を振る女性がいたり、このゲストハウスとさくらさんが竹田のまちにしっかりと馴染んでいることがすぐにわかりました。

湧水を飲むさくらさんの息子さん
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竹田の魅力とは…? 】

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