〈暮らす実験室 SHIKA〉の共有キッチンで料理をする入居者たち
連載|あの人に会いたい!

シェアハウスで暮らし方を実験!
竹田市〈暮らす実験室〉市原史帆さん、正さん | Page 3

Posted 2025.03.07
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暮らしを大事にすることは、人生の喜び

2019年、〈暮らす実験室 iki〉が始動。未完成部分のリノベーションを手伝ってくれるボランティアも受け入れながら、緩やかにスタートします。

徐々に入居者が入り始めた2020年、コロナ禍に突入。留学など、海外に行く予定が行けなくなった、大学がリモート授業になったなど、さまざまなきっかけで入居者が一気に増え始めます。

市原家には三女も誕生。そんなタイミングで、2軒目のシェアハウス〈暮らす実験室 sika〉のリノベーションが始まりました。

「はじめは、ふたつもつくるつもりなんて全然なかったんですよ。でも、偶然いい物件が見つかったので、購入してつくることにしました」

〈暮らす実験室 sika〉の外観
2022年末に完成した、ikiから歩いて5分ほどの場所にある、2軒目のシェアハウス。元歯科医院だから、〈暮らす実験室 sika〉と名づけられました。

歯科医院兼院長宅だった中古物件を購入。ここでは、2階の2間をつなげて広いリビングやキッチンをつくるなど、1年半をかけた大リノベーションとなりました。国内外から、ボランティアもたくさん参加したそうです。

「インスタで『ボランティア募集!』って出すと、集まってくれて。『Workaway』というマッチングサイトに掲載すると、外国人のボランティアの方も来てくれました。月に10人来たときもあったかな」と史帆さん。

壁を解体中の史帆さん
三女をおんぶして2軒目のセルフリノベーション。(写真提供:暮らす実験室)
リノベーションを手伝う海外からの旅行者
「泊まるところを探している旅人」と「働いてくれる人を探しているホスト」をつなぐ『Workaway』を通じて海外の人も参加。(写真提供:暮らす実験室)
綺麗にリノベーションされたトイレと洗面スペース
sika2階のトイレと洗面スペース。大工の師匠に教わりながら、大掛かりな改装にも取り組むほどに。
sikaの入居者がキッチンで料理をしている
壁を壊して2間をつなげた、広くて天井の高いsika自慢のキッチン。シンクやコンロが向かい合わせでふたつあり、複数人が同時に調理でき、コミュニケーションの場になっています。

現在は、ikiもsikaも、ボランティアや、居住者の家族や友人のためのゲストルームを除いて満室。入居はできない状況ですが、ボランティアは随時受け入れています。

sikaのリビングスペース
キッチン隣のリビングは、緩やかなつながりをつくるため、テーブルや椅子、ソファを多めに配置。奥のソファはもともとこの家にあったものにクッションを入れ直し、使い続けているそう。
キッチンに立つ土田政文さん
sikaの最初の入居者、土田政文さん。自室で整体とヒーリングのサロンを開いている、人気の整体師でもあります。「きれいな部屋で、すごく住み良い。すべて揃えてくれているから、ものもいらないんですよ」
整体用のベッドも置かれた、土田さんの部屋兼サロン
眺めも日当たりも最高な2階の角部屋が、土田さんの部屋兼サロン。sikaではそれぞれの個室を充実させることを大事にしており、ベッドとテーブル、椅子やソファは必ず配置。広い収納にもこだわっているそう。

一家で実際に住み、竹田の魅力をあらためて実感しているという市原夫妻。知り合いも増え、農家さんから直接、無農薬野菜を購入できたり、友だちが天然酵母のパンを届けてくれたり。

「食卓が、竹田のどこかの営みとそのままつながっているのは、とてもすてきなことだと思うんです。おいしいし、すごくうれしい」(史帆さん)

部屋の入り口に飾られた、解体前の写真
sikaでは、以前の様子を写真で残し、改装したあとの部屋の入り口に飾っています。
廊下に置かれた花瓶と蚊取り線香入れ

そんな魅力的なまち竹田に、シェアハウスに住むよりももっと気軽に「人が訪れるきっかけを増やす、場づくりをしたい」と、1日ひと組限定の〈竹田まちホテル〉も運営しています。ここも古民家をリノベーションしたもので、竹田の城下町に「暮らすように泊まる」がコンセプト。

さらに、イタリアンシェフでまちづくりにも積極的に取り組む友人とともに、武家屋敷をリノベーションした新たな「まちホテル」も準備中です。

廊下に置かれたギター
sikaには、あちこちに楽器が。史帆さん自身も昨年からギターを始め、作詞作曲やライブ活動もするように。ライブではラップも披露するそう。

東京にいた頃は、「物件を持つなんてリスクでしかない」と思っていたはずなのに、いまでは「いい物件さえあれば買いたい」と思うようになったという史帆さん。今後は単身者だけでなく、家族連れも一緒に住めるシェアハウスを構想しているそう。現在もシェアハウスに合う物件を探している最中で、「次をつくることになったら、やっぱりセルフリノベーションすると思います」と、言い切ります。

「住むことによって、暮らしを豊かにする場をつくりたい。暮らしを大事にすることが人生の喜びだなって、思っています」

ikiの1階で談笑する史帆さんと正さん
Profile 市原史帆

兵庫県神戸市生まれ。友だちのミュージシャンに誘われ、ラッパーとしても活動。〈暮らす実験室〉のサイトや冊子をつくる際には、デザインやライティングも担当している。

Profile 市原正

東京都渋谷区恵比寿生まれ、恵比寿育ち。サラリーマンを辞めてから、髭も髪も伸ばしたワイルドな風貌ながら、いつもニコニコ。リノベーションの際は、計算など細かい部分なども担当。

Information
暮らす実験室
web:暮らす実験室

credit text:河野恵 photo:木寺紀雄

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